「富山プロダクトデザインコンペティション2011」の第1次審査通過案です。
タイトル:
系(けい)。この言葉には「一つづきにつながったもの」、「相互連関を持つものの集合」などの意味があります。
コンセプト:
「不変」でもあり、また「可変」なヒトやモノたちのつながりのあり方を現したペンダントライトです。
太陽に対する惑星や原子核に対する電子は、常に法則により一定の距離を保ち、軌道を描きます。私たちも常に複数のヒトやモノと一定の間隔を保ちつつ、いろいろな形でつながっています。それは家族との距離であるかもしれないし、愛着のあるモノの重要度であってもいい。皆、時期や場所によって誰かやどれかが「核」(=光源)とその取り巻き(=複数に分かれたシェード)となって集まりをつくります。その核と軌道たちがつくる形は、円盤のように整った時もあれば、ヘビのとぐろのように乱雑であったりもする。具体的には、使う人の気分や求められる灯りの質によって、「不変」な一つの照明が「可変」な姿と光を与えてくれます。
構造、材料:
形態全体を変化させる仕組みは、スフェリカルベアリング(骨格の関節の動きを模した部分的な球体の重なり)で成っています。構造部分にはステンレスを採用。それぞれのパートが接触する部分にはシリコンの層を設けることで、滑らかな動きを可能とします。光源部分は直径12cmのガラスの球体で、中にはこれからも電球の前提サイズとなるであろう白熱電球の大きさを採用し取り付け交換が可能なものとします。大きさは一番外側の軌道で外直径60cmです。
シェード部分はステンレス板とステンレスワイヤーで構成されています。また、下部のステンレスリングを着脱可能とすることで、シェードの分解清掃や、シェードの数の調整ができます。