アーキフォーラム/迫慶一郎の巻

久しぶりにアーキフォーラムに出向く。今回のシリーズでは初回以来の2回目。演者は迫慶一郎さん、タイトルは「チャイニーズ・ブランド・アーキテクチャー」。先週の「情熱犬陸」効果でキチキチの満杯かと思ったらそうでもなかった。それでも学生率が高い。以前に西沢立衛さんのときだったか、質問の内容があまりにも幼稚で辟易したことがあったので少し心配しましたが、今回は質問の時間自体が短かったのでそれを感じることもなく二次会へ。いやいや、講演の内容が先だ。最近のシリーズの中では最も楽しめました。建築界独特の衒いもなく、正直なプレゼンでした。異国(知らない場所)の事情に対する考えもちゃんと伝わったし、それに対する迫さんの姿勢もよくわかった。以下、個人的なノートです。
・現在の中国をして「Speed×Scale×Scope×Start」という4つのSで括る.
・圏外SOHOでは「gated community」への反立が成功する.
前置きが終わって本論へ。「空間、建築、街(だったか?)」の順にプレゼン。
・「空間」:中国で調達できる材料や技術の不利さを、マンパワーで補う.
  (北京フェリシモ、北京ポプラ、杭州ロマンチシズム2など)
・「建築」:?小平の唱えた「先富論」から後の発展!発展!発展!な状況.
  (金華キューブチューブ、北京モザイク、北京バンプスなど)
・「街」:一人の建築家がマスなスケールにどう対処するか.
  (天津コラムナーシティ、天津シリンダーズなど)
二次会では直接お話しできました。講演中の質疑応答時に訊くつもりだった二項目について訊いてみる。
・迫建築の「4つのS」に対する姿勢.
・公演中の頻出語「空」の意味.
一つ目は啓蒙・誘導的なものか、偶発的なものを容認するのか、を尋ねたものでした。答えは前者。まだまだ理念信念が強いと感じました、悪い意味ではなく。二つ目は本人も意識していなかったそうです。「北京モザイク」なんかは桜吹雪っぽいんだけど、明らかに「散るサクラ」ではなく「風に舞うサクラ」です。「空」を念頭に置いた設計な気がする。個人的には「北京ラチス」が好きです。予め受け入れる姿勢が最も顕著だから。
さてさて、これからも迫建築の顕在化は続きそうです。これが建築にとっての大きなうねりを創るのか、それともその前哨戦に過ぎないのかは歴史が語るのでしょう。私には判断できませんでした。
※余談:「北京バンプス」の映像は必見です。楽しいったらありゃしない。